こんばんは!小川光一です!
2017年6月末よりフィンランドに滞在しています。ホリデーシーズンということで、バルト三国と呼ばれるエストニア・ラトビア・リトアニアを旅行して来ました*
今回はエストニア号!地元バスの乗り方からオススメ観光スポットまで!誰かのちょっとした有益情報になれば幸いです。
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バルト三国とは…フィンランドの南対岸に並ぶエストニア・ラトビア・リトアニアのこと。日本との時差は6時間。
それぞれがスウェーデンやドイツ、ポーランド、ソ連(旧ロシア)などの支配を受けながら、少しずつアイデンティティーを醸成させ、ソ連から揃って1991年に独立。それから10年以上の時を経て、2004年にEU(欧州連合)加入を果たしました。
2011年エストニアがクローンから、2014年ラトビアがラッツから、2015年リトアニアがリタスから、通貨はユーロに。ロシアに支配されていた1990年代前半より前は三国ともソビエト・ルーブルという通貨を使用していたので、クローン&ラッツ&リタスは20年強の歴史で消滅しています。
<総人口が多い都市>
★リガ(ラトビア首都) 725,578 人
ヴィリニュス(リトアニア首都) 540,318 人
★タリン(エストニア首都) 396,193 人
カウナス(リトアニア第2都市) 361,274 人
クライペダ(リトアニア第3都市) 188,954 人
★シャウレイ(リトアニア第4都市) 125,883 人
(今回訪れた街に「★」を付けています)
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さあ!
やってきましたエストニア!
今回エストニアには2回出入国をしましたが、
2回目でがっつりと首都タリンを観光しました。
エストニアは、バルト三国の中でも群を抜いた情報技術を有しています。
あの通話サービスSkypeを開発したのもこの国の企業ですし、NATO(北大西洋条約機構)のサイバーテロ対策本部が設置されていたりもするIT先進国なのです。
その一方で、首都タリンは古めかしい街並みが美しく、旧市街は『タリン歴史地区』として世界遺産に登録され、2011年にはフィンランドのトゥルクという街と一緒に欧州文化都市にもなっています。
タリン中心部のおおまかな位置関係はこんな感じです。僕はフェリーでフィンランドから入り、ローカルバスを駆使して、高速バスターミナルからラトビアに行きました。乗り物情報を皮切りに続々とエストニアについて紹介していきます!
■フェリー
フィンランドとエストニアは片道2時間前後で行き来できちゃうので、日帰りや気楽な感じで二か国間を旅行する人がかなり多いそうです。
ヘルシンキ側には、スウェーデンに行くオリンピアターミナルというものもありますが、タリンに行く場合は西ターミナル(最寄りは「Lansiterminaali駅」。9番or6T番トラムの終点)です。
エストニア側にも、AターミナルとDターミナルがあるのですが、こちらはもし間違っていても歩ける距離なので、時間に余裕さえあれば問題なしです。
ヘルシンキータリンを繋ぐフェリー運航会社は主に3社。それぞれのチケット購入サイトと簡単な特徴を挙げておきますね。
・Eckerö Line(エケロライン)
https://www.eckeroline.fi/en/Route-Trips/Route-trips-sku-reitti
ここが一番安いです。片道15~30ユーロくらい(2017年7月現在)
・Tallink & Silja Line(タリンクシリヤライン)
https://www.tallinksilja.com/helsinki-tallinn-timetables
一番メジャーなやつ。安心感は強い?少し料金高め。
・Viking Line(ヴァイキングライン)
https://www.sales.vikingline.com/book-cruise/
何故か他の二社よりも所要時間が短い。さすがヴァイキング。
ちなみに僕はエケロラインでタリンへ渡りました。
まず、ヘルシンキの中心にある商業デパート「カンピ」の裏手にある「Kampintori」という駅から9番トラムに乗りました。港に向かう番線側には「Lansiterminaali行き」という看板の横に船のマークが付いているのでそれを目印に。バスは10分おきに出ています。
終点のバス停Lansiterminaaliの目と鼻の先に佇む西ターミナル。飛行機と同じ感じで、出国の数十分前にゲートが閉まるので、早め早めに行動することをお勧めします!
肝心の船内は……本当に大きな船で、船内も豪華でびっくりしました。マジックショーやライブ演奏がステージで行われていて、あっという間に2時間経ってしまいます。帰りの便ではバンド演奏に合わせて、乗客の老夫婦がおもむろにダンスし出して、その暖かさに癒されました。動画撮ったのでどうぞ!
■ローカルバス
■高速バスターミナル
エストニアでは、電気で走っているトローリーバスや、路面電車のようなトラムも街中を走っているのですが、今回僕は普通のローカルバスを駆使しました。
ローカルバスはルートごとに番号で名付けられていて、1から73まであります。(全公共交通機関の時刻表→ http://soiduplaan.tallinn.ee/#tallinna-linn/en )
なんとエストニアでは、エストニアIDカードを持っている人は公共交通機関がすべて無料です。タリンカードという観光におけるお買い得カードを購入すると旅行者でも交通費がすべてかからなくなります。(政府としてはこの仕組みで自家用車の使用を減らしてエコにつなげたいらしいです)
なお、普通の旅行客におけるバス料金は、通常2ユーロ、学生子ども1ユーロです。スマートカードというものを購入すれば、約半額で乗ることができますが、そのカードの発行自体に3ユーロくらいかかるので、旅行の計画次第ですね。
コンビニで乗車券を事前に買えますし、バスの前方から乗って、運転手さんにその場で支払うこともできます。
そんなローカルバスですが、「フェリー乗り場」と「旧市街」と「高速バスターミナル」の3つをつなぐ攻撃力のかなり高いバスがあります。それが2番バスです。
フェリー乗り場のAターミナルを外に出て、右手の方に歩いていくと、「Reisisadam」という駅があります。そこから10分前後で旧市街や高速バスターミナルの最寄り駅に行けるので相当便利なルートになります。
バス停の名前、一駅ずつ細かく以下に書いておきますね笑。
Reisisadam(これがAターミナル)
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Reisisadam D-terminal(こっちがDターミナル)
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A. Laikmaa(大きなショッピングモールたちに囲まれた駅ですが、すぐ西側に旧市街への入口「ヴィル門」があります)
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Tornimäe(特に思い出ありません笑)
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Keskturg(後述する中央市場の最寄り駅です。港に戻る方向のバス停近くには「SUSHIMON」という黄色い看板の日本食レストランがあります。寿司とポケモンの強引な調合……)
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Bussijaam(高速バスターミナルの最寄り駅です)
Bussijaam駅を降りるなり、来た道を戻るように歩いて、最初の大きな交差点を左に曲がると、この大きなバスターミナルが見えてきます。ここから色々な場所へのバスが出ていて、僕はラトビアの首都リガへと向かったのでした。
■中央市場(Keskturg)
冒頭に貼った地図や先ほどのバス停紹介を見てもらって分かると思いますが、高速バスターミナルから一駅なので、結構歩いて行ける距離だったりします。(旧市街からだと30分以上歩くことになります)。
別記事で書くリガの中央市場と違って、観光客の混ざり気がかなり薄く、エストニアの地元民の生活が垣間見える場所です。
IT先進国としてハイテクなビルも多く立ち並ぶ国ではありますが、この中央市場の年季が入った感じは、エストニアが「昔から存在している」ということを実感させてくれます。
肉などは中央にある屋内で、洋服や雑貨、パンや野菜は屋外で迷路のように入り組んだ店舗の連なりの中で販売されています。とにかく洋服やパンが安い印象でした。H&Mの古着が50円とかで大量に売られていました笑。
なんだか少し発展途上国のスラムマーケットに雰囲気が似ていて、居心地の良いような悪いような、って感じでした。
ただ、綺麗な旧市街だけを見てエストニアを知った気になったり、IT国としてのテクノロジーだけを見てエストニアを知った気になったり。そういう人もいるだろう観光において、この場所を見ることには、とても意味があるんじゃないかなとは思いました。
■タリン歴史地区
さて、前置きが長くなりましたが、エストニアのメイン観光地として君臨するタリン歴史地区にももちろん行きました!
中世に城塞都市として発展したタリン。至るところに城壁が残っており、その保存状況の良さはそれなりに世界屈指のようです。
世界遺産として登録されている旧市街。同じく世界遺産のラトビアの旧市街よりも小さく、あっという間に端から端まで歩けてしまうコンパクトさがこの場所の良いところでもあると思います。ざっくばらんに箇条書きどうぞ。
・ヴィル門
旧市街の正面玄関のような場所。この手前に花屋さんが並んでいるのですが、その上に座っているかのように、裏の丘の城壁に腰かけることができるんです。それで、僕も腰かけていたら、いきなり下を歩く地元民らしきお兄ちゃんがチョコを6つ投げまくってきました笑。ありがとうと言っても何も言わず、笑顔も見せず真顔で、全く真意が分かりませんでしたが、チョコは美味しかったです笑。
・セーターの壁
sweater wallという愛称があるセーターの露店通り。ここも旧市街内のアイコンの一つです。城壁に沿って、繊維品が並んでいます。ヴィル門をくぐって2つ目の右に曲がるチャンスで右です。
・ラエコヤ広場&旧市庁舎
タリン歴史地区の中心的な場所です。ラエコヤは「市庁舎」という意味らしく、その言葉の通りに旧市庁舎が広場の一辺に佇んでいます。この旧市庁舎は、1402年から1404年にかけて建設されて以来、その状態を維持し続けてきた「北欧最古のゴシック様式」と言われています。
・路上ミュージシャン
ラエコヤ広場でたまたまストリートミュージシャンが演奏していたんですけど、その格好良さにびびりました。今まで世界各国で聴いた路上音楽の中で一番良かったかも。たくさんの人が足を止め、人だかりができてました。動画撮ったので少しだけどうぞ!
■城壁カフェ
そして、タリン歴史地区の中でも僕が推したいのはこちら! 城壁の上で楽しめるカフェ「Café Dannebrog」です!
少しばかり分かりづらいところにありますが、デンマーク国旗の起源となった「デンマーク王の庭」沿いの城壁にあります。目印は3体の修道士です。
キングダムハーツ1で言うところの裏ボスであるファントム、ハリーポッターで言うところのディメンターに似ているこの人は、城下町の人が上に入って来ないように見張っていた番人なんだとか。フォルムがとにかく好き過ぎるので、思わず2ショットを撮りました。
カフェの入り口はこんな感じです。
階段がめっちゃ急で、狭くて、すごいところに自分がいることを気づかされます。そして、ついに城壁の塀部分に到着すると、テーブル席が幾重にも並んでいる一角をすぐに見つけることができると思います。
オーダーは一番奥です。ビールを頼みましたが、7€。ちょっぴり他の飲食店よりも割高でした。でも、写真の通り、こんな雰囲気ですよ。デンマーク王の庭や城下町を見下ろせるんですよ。最高に癒されました。(住所「Lühike jalg 9, 10130 Tallinn, エストニア」)
■未来型国家エストニア
最後に、エストニアのIT先進国としての一面について。
エストニアは電子政府と言われています。日本でいうマイナンバーカードみたいなものがあり、日本とは比にならないほどそのカードですべてが完結するのです。
その名も「eIDカード」。
銀行や保険の口座を作る時も、会社を設立する時も、このカードでサクサク。自動車の運転免許証、健康保険証として利用することもできます。
この国はペーパーレス社会を目指しているようで、印鑑やサインの代わりに電子署名を用いるのですが、それもこのeIDカードを使います。
日本のマイナンバーとの違いは主に2つあります。1つは、セキュリティがしっかりしているため、名前と同じくらい番号を開示していても問題ないこと。そして、もう1つは、強制ではないこと。エストニアのeIDカードは自分で持つことが決められる上に、持っていなくても罰則がないそうです。それでもしっかり普及しているのは、サービスの良さと安心感がそれだけあるということなのかもしれません。
エストニアの情報技術を最近フィンランドも取り入れたような話も聞きました。電子媒体はダイレクトな情報公開を展開することができ、公開されることで犯罪レスとなり、クリーンな人間性が保たれる、という点でも、これから世界中で電子化が進んでいくはずですし、エストニアは確実にその変革を支える技術提供者として、世界各国の力になっていくと思います。
以上です!
未来に向けたテクノロジーと趣き深い歴史が混在するエストニア。福岡くらいの人口の人間が、九州くらいの国土にのんびりと住んでいます。
タリンはかなりコンパクトに整った街で、正直なところ、ラトビアやリトアニアよりも圧倒的に住みやすそうな印象を持ちました。ぜひ、皆さんもエストニアに癒され、刺激を受けに行ってみてください!
小川光一
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